北天の小さな星座「とかげ座(Lacerta)」をご存知ですか?星々がとかげのような形を描くこの星座は、18世紀に作られた比較的新しい星座です。この記事では、この興味深い星座の観察方法から撮影テクニックまで、詳しくご紹介します。
とかげ座ってどんな星座?
とかげ座は、北天のペガスス座とケフェウス座の間に位置する小さな星座です。1687年にヨハネス・ヘヴェリウスによって命名されました。明るい星は少ないものの、その星々は特徴的な「とかげ」の形を描いています。
この星座は、秋の夜空で観察するのに最適で、特に9月から11月にかけて見やすい位置にあります。天の川が通過する領域にあるため、双眼鏡を使うと多くの星々を観察することができます。
とかげ座を構成する主な星
- アルファ・ラケルタエ(α Lacertae):とかげ座で最も明るい星で、マグニチュード3.8の青白色の主系列星です。
- ベータ・ラケルタエ(β Lacertae):マグニチュード4.4の変光星です。
- 1 ラケルタエ:マグニチュード4.1の二重星システムです。
- 2 ラケルタエ:マグニチュード4.6の変光星で、美しい青白色を示します。
とかげ座の見つけ方
とかげ座を見つけるには、以下の手順で探してみましょう:
- まず、秋の大四辺形(ペガスス座の四角形)を見つけます。
- その北東側に、ジグザグに並んだ星々を探します。
- これらの星々が、とかげの体を形作っています。
- 双眼鏡を使うと、より多くの星々が見えてきます。
観察のベストシーズンは9月から11月。この時期の夜空で最も高く昇ります。
とかげ座にまつわる物語
とかげ座は比較的新しい星座のため、古代神話との結びつきは薄いですが、その命名には興味深い歴史があります。
17世紀末、ポーランドの天文学者ヘヴェリウスは、それまで星座として認定されていなかった星々の間に、とかげの姿を見出しました。この発見は、当時の天文学が進めていた「空の地図作り」の一環として行われました。
とかげ座の中の面白い天体
- BL ラケルタエ:活動銀河核の一種で、電波天文学の重要な研究対象です。
- NGC 7243:散開星団で、双眼鏡でも観察可能です。約40個の星が集まっています。
- ADS 16402:惑星を持つことが確認された恒星系です。
- EV ラケルタエ:フレア星として知られる変光星です。
とかげ座にまつわる豆知識
- とかげ座は、ヘヴェリウスが命名した7つの星座の一つです。
- この領域は天の川が通過するため、多くの散開星団や変光星を含んでいます。
- 近年、とかげ座の方向に多くの系外惑星が発見されています。
- BL ラケルタエは、最初に発見されたブレーザーの一つとして天文学的に重要です。